生きてるうちに・・・
ここ数日、今は亡き宮さんが 僕にメッセージを送ってくる感触があるんだ。
「生きてるうちに、伝えなさい」って。
僕が東京から香川へ自主避難して2年目の12月、突然電話がきて、「つるちゃん、驚かないできいて! 私 膵臓がんステージ4だって。でも大丈夫よ」。元気な声でそう語り、わずか4ヶ月後の4月4日に天へ還った。
彼女は、22歳年上のセクハラという言葉をはじめて日本に持ち込んだフリージャーナリスト、女性学の先生だ。
還暦過ぎてからシャンソン歌手にもなり、僕のコンサートも年中来てくれて、音楽仲間の側面もあったけれど、僕にとっては文の力で僕を後押ししてくれた恩人。両親も当然いない性別適合手術の翌朝には、僕のベッドの横に座っていた。彼女の著書にも、僕は登場したりしていた。業界人の知り合いが多く交友関係は流石に広かった。
・・・語りつくせないほどのシーンが思い出されるが、最期の時、僕はみとれず、親族だけの告別式に香川からかけつけた時のことが、消えない。
(彼女のはじめてシャンソニエで歌った日、僕が撮ったこの写真を、気に入ってくれてよく使ってくれてた。)
(彼女の授業で、講師に呼んでくれた時。ギャラもポケットマネーでだしてくれた。僕はまだ役所の職員)
消えない。。。。。
亡くなってはじめて、実は彼女が僕のことを心許した数人のお友達のひとりに置いていてくれた・・という事を知った。衝撃だった。遅かった。
最後を看取った彼女の友人(先天的障害をお持ちなYさん)の導きで、告別式後、香川に帰る前、宮淑子の部屋に僕は訪れた。Yさんにだけ、鍵をあずけていたのだ。
プライバシーかと思うが、今日は何故か筆が走り、宮さんがそうさせてる気がするので書いておく。
2DKの都営住宅。離婚後からずっとここに住んでいた。フェミニストだけれど、男性交友は多かった。宮さんらしい(笑)。真っ暗な部屋は、けもの道のように通れるくらいのスペース以外、ゴミと片付けられてない日常のもの、書類、楽譜、CDであふれていて、その中に埋もれていたのは、まだ数日前に入れたという、自動ベッド。彼女は、ここで最後を過ごそうと考えていたのだ。。。僕は知っている。九州の精神科医の友人が、入院費も工面してくれていたことも。。。。書斎の卓には、大切なひとの写真が一枚だけはさめてあった。せつなくなった。
その後のことが、僕の心から消えないでいる。親族は、この部屋を業者に依頼して処分した。なので、彼女の書きかけの文献も、なにもかも、誰も見ることなく、ゴミとして消えた。手続きからネットサーバー代も当然終わり、宮淑子自身によるすべてが表現されている公式サイトも消滅した。もう・・・誰もその想いを知ることもできない。彼女を理解してサポートできる身内か理解者が残し続けることも可能であったはずの・・・。
恩人の先生じゃなく・・・友達と思ってくれてた事をもっと早く知っていたかった。心開ける人がいなかった・・・そういうことで、僕のような小僧でも彼女の中で、開いている人間のひとりになっていたのだ。
ごめん。 なにを書こうと思ったのかわからなくなった。でも、この宮さんが最近の僕をちょっとまた背中をおしてくれてる気がするんだ。
「生きてるうちに、伝えなさい」って。
ケイオス・・も動き出すよ。
宮淑子のこと・・→ ここクリック
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コメント4件
昨日たまたま、チェリストのヨー・ヨー・マのインタビューが心に残って書き留めておりました。
バッハの無伴奏チェロ組曲を人生3度目の全曲録音した意義について。
以下抜粋
皆で危機感を持って取り組まなければ解決出来ない問題も多い。
音楽は、人を惹きつけ繋がる力を持っている。人々が集まり、こうした問題に向き合うきっかけを作る事ができる。
音楽が問題を解決できる訳ではないが、人々を繋ぐ役割は果たせるのではないか。
私は本気で取り組んでいる。
アンテナの感度を高めて、向かう方向を見誤らないように歩いていきたいな。
「生きているうちに、伝えなさい」とてもこころに響く言葉ですね。
きっと私たちの見えない世界から、宮さんがつるちゃんに語りかけているのだと、
記事を読ませていただき、僕も感じました。
で、生きているうちに・・・人が生きることについて、
懸命に生きる人は、喜ぶときには大いに喜び、悲しむときには大いに悲しみます。
誰かを愛するときには懸命に愛します。
きっとつるちゃんはその全てをクリアできるからこそ、宮さんはつるちゃんに
問いかけているのだと思います。
生きているうちに、沢山の人々にお伝えできて、
更にレベルアップしたつるちゃんになれるために。
僕も微力ですが、応援したいと思います。